人は、自分が変わったことに、いつ気づくのでしょうか。
何か大きな出来事があったときでしょうか。
それとも、以前の自分にはできなかったことが、できるようになったときでしょうか。
継続してセッションを受けてくださるクライエントさまとお会いする中で、私は、人の変化はもっと静かに起きているのかもしれないと感じるようになりました。
ご本人が気づくよりも先に、私が変化を感じることがあります。
反対に、クライエントさまのお話を伺って、私が初めて気づくこともあります。
変化というものは、必ずしも、誰の目にもはっきりと見えるものではないようです。
「何か、雰囲気が違う」
継続してセッションを受けてくださる方とお会いしたとき、以前よりも雰囲気が軽くなったと感じることがあります。
表情や声の調子が、少し違う。
ご自身の気持ちについて、以前よりも自然に話してくださる。
何か劇的な出来事があったというわけではありません。
でも、以前とは少し違うのです。
お話を伺っていくと、ご本人も変化を感じていらっしゃることがあります。
考え方が変わってきた。
以前ほど自分を責めなくなった。
気持ちが楽になった。
無理をしなくなった。
一つひとつは、日常の中の小さな変化かもしれません。
けれども、私は、そうした変化こそ大切なのではないかと思っています。
他人の目から、自分の気持ちへ
セッションを重ねる中で感じている変化の一つに、物事を判断する基準が少しずつ変わっていくことがあります。
これまでは、周囲の人がどう思うかを優先していた。
相手の期待に応えようとして、無理をしていた。
うまくいかないことがあると、自分が悪かったのではないかと責めていた。
そうした他人軸の生き方から、少しずつ、ご自身の気持ちに目を向けるようになっていくのです。
「私は、どう感じているのだろう」
「本当は、どうしたいのだろう」
そんな問いが、ご自身の中に生まれてくるのかもしれません。
ただ、他人軸から自分軸へと、きれいに切り替わるわけではありません。
長い時間をかけて身についた考え方や行動の癖は、簡単には変わらないものです。
自分の気持ちを大切にできたと思っても、また周囲の目が気になってしまう。
無理をしないと決めたはずなのに、気づけば頑張りすぎている。
そうしたこともあるでしょう。
でも、それは何も変わっていないということなのでしょうか。
私は、そうは思いません。
進んだり、戻ったりしながら
人の変化は、一直線ではないようです。
少し進んだと思ったら、また以前の考え方に戻る。
気持ちが楽になったと思ったら、何かの出来事をきっかけに、また苦しくなる。
継続的なセッションの中では、そうした過程も見えてきます。
ただ、以前と同じように苦しくなったとしても、まったく同じところに戻っているとは限りません。
「また無理をしていたな」
「今、自分を責めているな」
そんなふうに、ご自身の状態に気づけるようになっているかもしれません。
以前なら気づかなかったことに、気づく。
それも、一つの変化ではないでしょうか。
私には、進んだり戻ったりしながら、それでも少しずつ進んでいるように見えることがあります。
もちろん、すべての方が同じように変化するわけではありません。
変化の速さも、向き合うテーマも、人によって違います。
だからこそ、セラピストが変化を急がせてはいけないのだと思っています。
変わろうとしなくなったことも、変化かもしれない
「変わらなければいけない」
そう思うこと自体が、苦しさにつながっている場合もあるのではないでしょうか。
もっと前向きにならなければ。
もっと自分を好きにならなければ。
人の目を気にしない自分にならなければ。
でも、それでは、今度は「変われない自分」を責めることになってしまいます。
自分を責めることをやめたいのに、変われない自分を責めている。
少し、おかしな話ですよね。
だから私は、無理に変わろうとしなくてもよいのではないかと思っています。
今はまだ、人の目が気になる。
自分の気持ちを優先することに、ためらいがある。
それなら、まずはその自分に気づくところからでよいのでしょう。
変化を急がなくなったこと自体が、すでに一つの変化なのかもしれません。
ふと振り返ったときに
長くセッションを続けてくださる方とお話ししていると、変化に気づくタイミングは、ご本人と私とで違うことがあります。
私が先に気づくこともあれば、クライエントさまの言葉から教えていただくこともあります。
でも、どちらが先に気づいたかは、それほど重要ではないと思っています。
ご本人が、ご自身の変化をどのように受け止めていらっしゃるのか。
そのことのほうが大切です。
無理に変わろうとしなくてもよい。
昨日の自分と今日の自分を比べて、何かが変わったかどうかを確かめ続ける必要もないでしょう。
長い時間をかけて、少しずつ。
進んだり、戻ったりしながら。
そして、ふと振り返ったときに、
「あれ? 以前の私なら、こんなふうには考えなかったかもしれない」
そう思える瞬間があれば、それで十分なのではないでしょうか。
そのときには、少しずつ積み重ねてきたものが、いつの間にか自分自身の土台になっているのかもしれません。
Shiva(しば)
守護霊について、順番に理解したい方へ
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