父が亡くなった後、母の様子が変わりました。

つじつまの合わないことを言うようになり、

私には、母の心の中で何が起きているのかが、わかりませんでした。

認知症なのか、それとも別の何かなのか——

母の心の動きを知りたい。

母の目に、世界がどう映っているのかを知りたい。

その思いが、大学で心理学を学ぶ決断につながりました。

心理学を学ぶには、独学やセミナーなど、さまざまな方法があります。

大学を選んだのは、既存の知見をインプットするだけでなく、データを収集・分析して客観的なエビデンスに基づいて「人」を理解する技術を学びたかったからです。

学ぶほどに、催眠への関心が深まる

心理学を学ぶ中で、改めて感じたことがあります。

人の心は、本当に複雑で、深い。

そして、その深いところにアプローチするための方法として、

以前から気になっていた催眠への関心が、

学ぶほどに強くなっていきました。

心理学と催眠は、切っても切れない歴史があります。

フロイトも、かつては催眠を使っていました。

ところが——

日本の心理学では、催眠が重視されていない

大学で学んでみて、驚いたことがあります。

日本の心理学のアカデミックな世界では、

催眠がほとんど重視されていないのです。

催眠についての講座がない。

体系的に学べる場が、ほとんどない。

正直、がっかりしました。

欧米では催眠療法の研究が積み重ねられているのに、

なぜ日本ではこれほど扱いが小さいのか——

でも、完全に消えているわけではありませんでした。

学校によっては、催眠を研究している先生がいらっしゃるのです。だから研究の灯は、消えていない——そう思えたことが、大きな励みになりました。

論文データベースとの出会い

大学生になったことで、得られたものがもう一つありました。

学術論文のデータベースにアクセスできるようになったことです。

先人の研究に触れる
催眠や前世療法に関する研究論文を、次々と読みました。
日本語だけでなく、海外の研究にも触れることができました。

誰かがすでに真剣に研究してきた——
その蓄積に触れることは、とても大きな学びになりました。
自分が興味を持っていたことが、学問として追求されてきた事実は、
確かな支えになりました。