「潜在意識」というワードを使わない理由🧠心の科学を大切にする視点

催眠療法

「潜在意識」という言葉、よく耳にしますよね。自己啓発やスピリチュアルな文脈で登場することが多いこの言葉に、何となく魅力を感じる方も多いのではないでしょうか。
催眠(ヒプノ)でも、「催眠は潜在意識に直接働きかける」と言ったりしています。
でも、私はこの言葉をセッションやホームページであえて使わないようにしています。
その理由をお話ししますね。

心理学や神経科学の視点では、「潜在意識」という言葉に明確な定義がありません。科学的には、私たちの意識や無意識の仕組みは非常に複雑で、フロイトの提唱した「無意識」の概念が基礎になりつつ、その後の研究で大きく発展・展開しています。ただし、「潜在意識」という単語自体が科学的に立証された脳の状態や心の働きを指すものではありません。

「無意識的過程」という表現をご存じでしょうか。たとえば、自分でも気づかないうちに選択や行動に影響を与える脳の働きは、この無意識的過程に含まれます。これには、脳の奥深くにある扁桃体や海馬が関わり、過去の経験や感情が私たちの現在の行動に影響を及ぼしています。

近年の脳神経学や心理学では、無意識的過程がいかに私たちの意思決定や感情に影響を与えるかということが注目されています。たとえば、脳の扁桃体や海馬が関与する「潜在記憶」の仕組みは、私たちが普段意識しない形で過去の経験を引き出し、現在の行動に影響を与えることが明らかになっています。また、無意識的過程が働くスピードは意識的な判断よりも速いことも分かっています。これは、生存に直結する危機回避行動を素早く行えるよう進化した結果と考えられています。

「私たちの心の大部分は水面下で活動している」という比喩で表されることがよくあります。氷山の見える部分が意識であるとすれば、その下の大きな部分が「無意識的過程」です。そして、その働きを理解することで、自分の心や行動をより深く知ることができるのです🌿

ただ、「潜在意識」という言葉がまったく意味を持たないわけではありません。この言葉には、心の深い部分やまだ解明されていない未知の可能性を感じさせる魅力があります。そういう意味で、スピリチュアルなニュアンスが含まれることも否定はしません😇✨

私が心がけているのは、科学的根拠を大切にしながらも、クライエントの皆さまの心に寄り添う言葉を選ぶことです。それは、誤解を避け、セッションの中で安心感を提供するためです。

言葉はとても大切です。だからこそ、正確さと温かさを両立させることを常に心がけています。これが私の「潜在意識」を使わない理由です😊

心は奥深く、まだまだ未知の領域がほとんどです。それを探求する旅を、科学的な裏付けと安心感とほんの少しのスピリチュアルな視点でサポートできたらうれしいです🌿