1 はじめに 稲垣勝巳メンタルヘルス研究室主宰稲垣勝巳 【理論編】において、ワイス式とは明確に一線を画しているSAM前世療法の作業仮説とその仮説に基づく独創の技法の概略を述べてきました。 この【技法編】では、新たにSAM前世療法を学びたいという志を持つ人を対象に、そのための典型的技法をできるだけ詳しく記述したものです。 その執筆動機は、私の創始したSAM前世療法が一代限りで終わることなく、後継の人たちによってさらに探究が深化・発展するように道をつけておくことが私に課せられた使命の一つであると思うことにあります。 なぜなら、私あての霊信に触発され開発されたSAM前世療法は、霊的真理伝道の手段として霊界の計画のうちに組み込まれていると告げられているからです。 つまり、霊界側が霊的真理(生まれ変わり)を地上の人々に知らしめるという計画遂行のための手段の一つが、霊的仮説に基づくSAM前世療法だと私は受け取っているということです。 私はSAM前世療法を霊信にことよせて権威づけする気持ちはありません。 ただ、理論編を脱稿し、この技法編の執筆にとりかった2ヶ月余りの間、セッション中のクライエントに憑依したそれぞれ異なる霊的存在らしきものによって数度に渡って、SAMの仮説が正しいこと、したがって自信を持って先へ進めというメッセージを受け取っています。 SAM前世療法に関わるこうした私の予感の正否と霊的存在らしきものからのメッセージの真偽は、この先時間の経過とともに明らかになっていくだろうと思っています。 SAM前世療法とワイス式前世療法との明確な相違は、両技法の前提とする仮説の有無にあります。 管見する限り、ワイスは自身の前世療法の仮説を提示していないようです。 したがって、日本で数多く実施されているワイス式前世療法の講習カリキュラムにその仮説を明示してあるものは皆無です。 はじめに技法ありき、でおこなわれています。 例えば、ある講習会のパンフレットには、「当講座は前世の存在を証明するものではありません。 前世の在る無しに関わらず、クライエントの自己成長を目指して前世療法を利用する方法を学ぶものであることをご了解ください」とわざわざ謳ってあります。 私の立場に立てば、およそ「前世療法」という名称を用いながら、その技法を支える前世存在の仮説もなく、前世の有無にも関知しない、という考え方は理解しかねます。 それならいっそ「前世イメージ療法」と言ったほうが理に適っていると思います。 SAM前世療法は「死後存続する魂の存在」と[生まれ変わりの存在]を明確な作業仮説としています。 その意味で霊的な療法であることをあらためて確認しておきます。 そうでなければ、SAM前世療法独自の価値も、わざわざ学ぶ意味もないのですから。 I「知覚催眠」までの誘導技法 1.1 1催眠誘導前の留意点 @ まず身体を清めます。 洗顔、歯磨き、できればセッション前に冷水で禊ぎをしたいもです。 魂の領域に関与する霊的療法をおこなうわけですから、自身の気持ちを引き締め厳粛な心構えを作るためにも必要な儀式です。 A 禊ぎをする、しないに関わらず、自分を守護する霊的存在にセッションの加護を祈ります。 「魂遡行催眠」中には未浄化霊の出現や接近が起き、怖い思いをすることが稀にあります。その場合に、この祈りによる加護を信じて勇気を奮い立たせるために必要です。 Bセッショッのための衣服を決めておきましょう。 セッション用衣服にあらためることは気持ちのセッションモードヘの切替にはどうしても必要です。 形を整えることが心を整えるというわけです。 C乱れた頭髪・汚い爪・口臭にはクライエントが敏感に反応します。 清潔感を漂わせるように注意をからないことです。 強すぎる香料なども控える必要があります。 Dセッショッの部屋の内外の刺激でクライエントの気が散る二とはすべて排除します。 特に部屋の明るさについてはクライエントの落ち着く好みの明るさになるようにカーテッで調整します。 SAMのような深い催眠状態に導くためには必要不可欠な配慮です。 ESAMのセッションには仰臥姿勢が必要です。 リクライニングシートを用いるときはクライアットの好みの角度に調整します。 ベッドを用いるときには好みの枕の位置と高さに調整します。 また、真夏でもセッション中に下半身が冷えてくる場合があるので夕オルケット・毛布などを必要に応じて用意します。 1.2 誘導前のカウンセリング 誘導前のカウンセリングの目的は、一般におこなわれているカウンセリングとは目的に相違があります。 カウンセリングの目的:クライエントに対し心理的な手続きによって接近し、ラポールを形成する 催眠前のカウンセリング:ラポールの形成と催眠誘導の準備段階 ・セラピストに対する親和感と信頼感を抱いてもらう ・進んで催眠に入りたいという動機づけ 催眠の本質は、自己催眠であり、セラピストはその援助者であることを常に念頭に置いてください。 したがって、「催眠にかけられる」は誤りで「自ら催眠に入る」と言うべきでしょう。 誘導前のカウンセリングで、クライエントに伝えておくべき必要なこと ※このカウンセリングに、少なくとも、50分程度は費やす @催眠中といえども意識は消えるわけではなく、モニターしている顕在意識が必ず働いて監視していること。 したがって、 1)道徳的良心や羞恥心に反することは命令されても実行しない 2)敢えて命令されると、拒否するか催眠から覚醒してしまう 3)秘密にしておきたいことは話さないし、犯罪をさせることも不可能 催眠中は心身ともに深いリラックス状態になるので、快適で気持ちのよいことを強調しておくこと。 A催眠はかかるものではなく、自分で入るものであること。 したがって、 1)催眠に入る心構えがないときには、催眠には入れない 2)催眠に入る心構えで一番大切なことは、催眠中に起こる一見不思議な現象をありのまま引き受けるという「お任せ」(受動的集中)の態度 3)モニターしている顕在意識が、起こることに対して、「お任せ」でなく抵抗したり批判的であったりすると、催眠は深まらない B催眠深度のインフォームド・コンセント(事前説明と納得を得ること) 事前説明とクライエントの了承をしっかり得ておく ア「運動催眠」、イ「知覚催眠」、ウ「魂遡行催眠」の順に催眠深度が深まり、そのそれぞれの深度がなぜ起こるか、仮説としての説明をする CSAM前世療法独自の「心・脳二元論」「魂の二層構造」仮説の説明 インフォームド・コンセントをきちんとしておく 過去生想起型の前世療法との違いを説明する Dクライエントの主訴を丁寧に聞き取り、質問・疑問を遠慮なく出してもらう 答えは誠実・率直に対応し、分かっていないことは正直に分からないと言う 以上を伝える過程で、クライエントに対して権威性を感じさせ、信頼感を抱かせるとともに、強い動機づけがなされ、ラポールが形成されていくようにします。 このラポール形成に成功すれば、催眠誘導の半分は成功したと言っても過言ではありません。 したがって、事前カウンセリングの過程こそ催眠誘導成否の鍵を握っていると断言してよいと思います。 そして、この技能は一朝一夕で獲得できるものではありません。 セラピストは強い信念を持って誘導しなければなりません。 強い信念とは、自信と余裕のあるセラピストの態度によって表れるものです。 このような態度は、セラピストの人格・学識・熟練などによって自然に醸し出される「雰囲気」ですから、セラピストは常に教養と催眠技能を身につける努力を怠ってはならないのです。 とりわけSAM前世療法土は、自らの霊性を高めるための何らかの精神的修養が必要です。 霊的仮説にしたがって魂の領域に導くわけですから当然のことだと思います。 1.3 催眠感受性(被暗示性)テスト −催眠体験 催眠実施誘導前のカウンセリングが終わるといよいよ催眠誘導に入ります。 最初におこなう「催眠感受性」テストは、文字通り催眠への感受性(被暗示性)、つまり催眠暗示に潜在意識がどの程度反応するかを確認するための二段階にわたるテストです。ここではテストと表記しますが、クライエントには「催眠体験」と伝えましょう。テストと聞くと緊張してしまう人がいるからです。 同時に、どの程度の催眠深度まで誘導可能であるかを予測するためのテストです。 また、このテストによって、催眠中にも「モニターしている顕在意識」が働いていることを実感させること、潜在意識と呼ばれるものが実際に働くことを実感させることを目的としています。 このことによって、催眠への不安感を取り除き、催眠への動機づけを高めます。 つまり、多重な目的をもった極めて重要なテストであり、このテストそのものが被暗示性を高めるための最初の催眠誘導過程となっているのです。 このテストの成否が、この後に続く本格的催眠誘導の成否を左右すると言ってよいくらい重要な最初の誘導過程です。 したがって、この催眠感受けテストの練習を、ふだんから十分に積んでおくべきです。 @催眠感受性テストその1「後倒テスト」クライアットを背中を向けて直立させ[気をつけ]の姿勢で立たせます。 両足の爪先を閉じさせ、爪先から踵までその足の内側をぴったり接するように立たせます。 そして、ヘッドアップさせます。 目も閉じさせます。 爪先を閉じさせ、ヘッドアップさせ、閉眼させるのは不安定な姿勢を作り、自然に倒れやすくするためです。 「これから私が前後に揺らします。 あなたは一本の丸太のように腰を折らないで真直ぐな姿勢を保って振り子のように揺れてください。 しっかり支えてあげますから安心して前後に揺れてください」と指示してクライアットの後ろに立ち、クライエントの両肩に手を添えて前後に揺らします。 けじめは浅い角度で揺らし、徐々に角度を深くしていきます。 セラピストは腰をブロックし、膝を軽く曲げて構え、セラピストの体重を支えるとき絶対ぶらつかないようにします。 不安傾向の強いクライエントは腰部分で折れ曲がり、一本の丸太のように揺れることができません。 その場合には揺らしをいったん中断し、腰部分に軽く触れ、「腰が折れていますよ。折らないように真っ直ぐに揺れましょう」と指摘し、再度揺らしてみます。 5〜6回揺らしても、どうしても腰が折れてしまうクライエントは、不安傾向が強すぎてセラピストに対して「お主かせ」態度がとれないわけですから、この時点で催眠誘導を断念したほうが無難です。 仮に誘導を試みてもうまくいくことはまずありません。 催眠学上の統計でも、約1割弱の者が催眠に入らないとされています。 丸太のように前後に揺れることが5〜6回できたら、いったん揺らしを中断匸クライアットの額に触れながら顔を再度仰向け状態(ヘッド・アップ)にします。 足を閉じ、さらに俯いた姿勢になると、ますます身体が不安定になり倒れやすくなります。 再度目を閉じさせます。 閉眼するとさらに平衡感覚が不安定になり、ますます倒れやすくなるというわけです。 「これから私が1、2、3、スーツ、と言ったら、自分の意志で後ろに倒れてください。 しっかり支えますから安心して倒れてください」と指示し、後ろに倒れる練習を2回程度させます。 次に「今度は倒れようとしないで、真つ直ぐに立っているだけにしてください。 でも、私が1、2、3、スーツ、ではやってみましょう。 はい1と言うと必ず後ろに倒れてしまいますよ。 2、3、スーツ」と続けていきます。 ほとんどのクライエントは暗示に反応して倒れてきます。 このテストを2回ほど繰り返し、自分の意志は働いていないのに身体が倒れてしまうことを確認します。 この後倒暗示に反応しない者は、その後の催眠誘導ができることはまずありません。 ここまで身体姿勢を不安定で倒れやすい状態にしても倒れないのですから、潜在意識の強い抵抗が働いているので、誘導は無理だと断念するしかありません。 ここで注意すべきは、この後倒暗示だけで一一-気にトランス状態に入り、身体が崩れ落ちる場合が稀に起こることです。 これをきちんと支えるだけの腰の構えと筋力がないと、クライエントに怪我を負わせることになります。 したがって、クライエントの身体が重そうで、支える自信がないときは後倒テストは避けるべきです。 この後倒テストは、成瀬悟策医学博士作成「標準催眠尺度」の1番目であり、最初の尺度になっています。 つまり、一番容易に暗不に反応しやすい尺度たということです。 「今あなたは倒れる意志がないのに倒れてしまいましたね。 誰が倒したのでしょうか?私が後ろに引つ張ったわけではありませんから、やっぱり、あなたが自分で倒したのです。 このどうしても気づくことのできないもう一つの自分の意識を潜在意識と言います。 では潜在意識というものがあるということをもっと実感できる≠ぷご卜をしてみましょう。 それではソフア(ベッドまたは椅子)に腰をおろしてください」と潜在意識を説明しておき、第2段階の「腕移動・合掌テスト」に移ります。 A催眠感受性テストその2「腕移動テスト」セラピストはクライエントの前に立ち、クライエントの両腕を肩の高さまで持ち上げます。 腕の開いた角度を肩幅よりやや広くV字の形に開かせます。 両手の平を垂直にさせ指を軽く伸ばさせます。 あまり腕の開く角度を広くすると腕移動の動きが出にくくなります。 意識を指先に置くように指示します。 「このように構えた状態で、私が1,2,3、はい、と言うと、あなたがくっつけようと思わないのに、このように両腕が真ん中に向かって動き始めますよ。 肩幅まで近づくと、いっそうスピードが早くなってスーツと合掌の形にくっつきます。 そのとき大事な心構えは、起こることを起こるままに受け入れることです。 催眠はあなたが自分で入るのです」と言いながら両腕を持って合掌の形になるように誘導します。 これを2回ほどセラピストの誘導で繰り返す練習をします。 このとき大切なことは肩の力を抜くようにさせることです。 腕を上下に揺らし、腕が水平より下がらない程度に保ち、肩が楽に動くように調整します。 「それでは、目を閉じてください。 今度は誘導をしません。 あなたはくっつけようと思わないでこのように構えていてください。 でも私が、1,2,3、はい、と手を離すと腕は合掌の形にきっと寄り始めますよ。 では、やってみましょう。 1,2、3、はい」と言ってクライアットの腕から手を離します。 閉眼させるのは、視覚からの外部刺激を遮断し、セラピストの声だけに意識を集中させるためです。 二の腕移動の速度はクライエントによって個人差が非常に大きいと言えます。 スムーズにスーツと移動を始める者や、全く動かない者まで様々な反応を示します。 多くは初めはゆっくり動き、その後スムーズに動くパターンを示します。 腕移動の動きの様子を観察しながら、タイミングを計って次のような暗示(先取り暗示)を重ねていきます。 「さあ、 少しずつ動き始めていますよ。 ・・・だんだん早く動いていきますよ。 ・・・もっと、もっと早く動いていきますよ。 ・・・肩幅に近くなってきたので、磁石がくっつくようにスーツと合掌の形に吸い寄せられていきますよ。 ・・・さあ、もうすぐ合掌の形になりますよ」この「腕移動・合掌テスト」で9割以上のクライエントは暗示に反応します。 このテス目立成瀬悟策医学博士作成の「標準催眠尺度」の4番目のテストになっています。 このテストを二つ目に採用するわけは、腕が勝手に動くという「自動感」、あるいは誰かに腕を動かされているF被動感」をもっともよく体験できるからです。 「後倒テスト」で倒れる反応を示しても、このF腕移動・合掌テスト」でほとんど、あるいは全く腕移動の動きが出ない者は、その後の誘導はほぼ不可能です。 また、催眠学上では、催眠感受性(被暗示性)、つまり催眠に入りやすさは、ここで紹介したようなテストによって査定できても、催眠にいかに深く入れるかを査定できるテストは開発されていません。 しかし、「腕移動・合掌テスト」における腕移動の速度と到達できる催眠深度は、ほぼ比例関係にあると言ってよいと思います。 早い速度でスーツと動くクライアットは、間違いなく最初の催眠深度「運動催眠」をクリアするのはもちろん、次の深度である「知覚催眠」もクリアできると予測できます。 腕が合掌の形に移動できたところで開眼させ、腕を下ろしてもらい、腕移動中の体験についてどんな感じがしたのかを話してもらいます。 腕が勝手に動き始める不思議な感覚を述べることがぽとんどのはずです。 そこで、次のように説明をします。 「今、腕を動かそうとした意識はありませんね。 でも、腕は動きました。 あなたの気づくことのできないもう一つの意識が動かしたとしか考えられません。 この自分ではどうしても気づくことのできないもう一つの意識を潜在意識と言います。 催眠は潜在意識が優勢になる世界へ入ることです。 ですから、潜在意識が優勢になって腕が動いたあなたは、今、浅い催眠に入ったのです。 でも、腕がひとりでに動くことをモニターしている顕在意識が働いていることも分かりましたね。 このモニターしている顕在意識はどんなに深い催眠状態でも消えることはありません。 だから、催眠状態に入っても意識がなくなるわけではありません。 善悪の判断力や羞恥心がなくなってロボットのように操られることなど絶対ありません。 もちろん、秘密を話してしまうことなど起こるはずがありません」二うして、クライエントの催眠への不安を解消し、催眠状態を実感として理解させる二とができれば、進んで催眠に入ってみたいという動機づけを高めます。 また、腕移動・合掌テストによって、浅い催眠状態に六っているのでクライエントの被暗示性は高まっており、催眠誘導に反応しやすい状態が出来上かっています。 ここから運動催眠に誘導を始めます。 SAM前世療法はきわめて深い催眠状態を必要とし、60分以上を要しますから、セッションの姿勢は仰臥姿勢を最適とします。 リクライニング式のソファまたはベッドを用います。 1.4 運動催眠レベルヘの誘導 「では、ソフア(ベッドまたは椅子)にあおむけになってください。 自分の一番落ち着く位置が決まったら、そのまま上体を起こして楽な姿勢を作ってください。 ここからは返事はいりません。 必要なときは私が要求します。 さあ、目を閉じて、これから、私が三つ数え肩を軽く持ち上げる間ゆっくり息を吸ってください。 肩を下げながら五つ数える間に息を全部吐き出してください。 この三と五の深呼吸を5から6回しているうちに、どんどん力が抜けて筋肉がゆるんでしまいます。 同時になんとも言えない深いくつろぎ感が全身に広がってきます。 そうすると自然に潜在意識が優勢になって、催眠状態に入り、意識がどんどん深くなります。 そして、潜在意識が私の暗示通り脳に働きかけて、あなたがどう思おうが色々運動を起こすようになります。 このレベルの催眠を運動催眠と言います。 では、深呼吸を始めますよ。 はい、息を吸って、1、2、3。 はい、息を吐いて、1、2、3、4、5。 もう一回、はい、息を吸って・・・(これを8から10回繰り返す)」3と5の深呼吸は、それが肺活量の多少に関わらず最も楽に吸気と呼気ができるからです。 また、数を数えながらクライエントの片方の肩を軽く挟むように添えて持ち上げたり押し下げたりするのは、セラピストのコントロール下にあることを自然に意識させ、おまかせ感覚を高めるためです。 同時にクライエントの身体に軽く触れることによって、安心感を持たせるためです。 クライエントの身体にさりげなく触れて安心感を持たせることをパス(按手)と呼び、催眠のテクニックとして古くから用いられています。 さらに、肩の筋肉が脱力によってヒクつくのを感知するためでもあります。 注意すべきは、クライエントの肌に直接触れることのないようにすることです。 肌に触れられることを嫌うクライエントは、そのことに気が散って誘導に集中できないからです。 早いクライアットは深呼吸5回目くらいから、うな垂れて身体が脱力して上体を立てていることがだんだん困難になってきます。 このタイミングを見計らって次のように暗示します。 通常は6〜7回の深呼吸で脱力が起きてきます。 脱力の指標は、まず額と顔の能面様状態が起きているかどうかで判断できます。 両眉間の縦皺が消えていれば顔面筋肉の弛緩が起きています。 また、肩に添えている手の平に弛緩によるヒクヒクした痙攣が起きているかどうかで判断できます。 「今、あなたは完全に脱力が起きて筋肉も関節もグニャグニャです。 ですから、私がこうやって横に押すとそのままフワーつと横に傾きます。 反対側に引けば反対側に傾きます振り子のようにゆらりゆらり揺れてきますよ。 これから私が10数えます。 数が進むにつれて、あなたのくつろぎ感はもっと深くなり、意識ももっと深くなります。 10数え終わったときには、あなたは今の倍の深さの意識状態まで深まっています。 さあ、数えますよ。 揺れますよ。 はい、1、2、3・・・うっとりしてなんとも言えないいい気持ちです。 意識も湖の底に沈んでいくように、どんどん深まってきました。 4、5、6・・・もう、私の声以外どんな物音も気になることはありません。 7、8、9、10」この時点で十分な筋肉の弛緩状態が起きていることも多いのですが、さらに意識を深めるために次のように暗示をします。 「さあ、もう一回10数えます。 今度は数が進むに連れて私の声が小さくなります。 声が小さくなるに連れて、あなたはますます意識を深めていきます。 リラックスもますます深まります。 10数え終わったときには、あなたの意識もリラックス感も、今の倍の深さになっていますよ。 はい、1。 2、3・・・さあ、意識はどんどん深くなってきた。 4、5、6、もっとずーつと深くなってきた。 7、8、9、10」ここで、クライエントの片方の手首を15センチ程度持ち上げ放してみます。 パタンと落ちれば脱力ができています。 中には持ち上げた形のままの状態で落ちない場合がありますが、これは催眠によるカタレプシー(筋肉硬直現象)と言われる現象で、催眠状態に入っている指標ですから、うまく進んでいると判断してよいものです。 催眠を深めるテクニックとして、「○○すると、ますます催眠は深くなる」というように「○○すると」という具体的条件をつけて暗示(条件暗示)することが効果的です。 「声が小さくなると」「数が進むと」、[身体が揺れると]、「いったん開いた目がまた閉じると」のように具体的条件を設定すればよいのです。 こうして、被暗示性がどんどん高進することが可能です。 このあとの催眠深化の暗示でもこのテクニックを多用していきます。 この頃には、クライエントは脱力によって背中を支えていないと姿勢が保てなくなっています。 「さあ、あなたには今完全に脱力が起きていますから、こうして上体を起こしていることがとても大変ですね。 後ろに倒れてソファに伸び伸び寝たいですね。 それでは、これから三つ数えます。 そうすると、どうしても身体が後ろに倒れていきます。 パタンと倒れないように私がしっかり頭と背中を支えていますから、大丈夫です。 ∧でも、あなたの背中と頭がソファにピッタリ接すると、あなたの今の催眠状態は一気に深まりますよ。 意識もリラックス感も今の倍以上に一気に深まります。 では、数えますよ。 1、2、3、はい、フワーつと倒れます」このとき、クライエントが一気に倒れこんでくれば、被暗示性は高進していて、誘導が成功していると判断してよいのです。 一方、腹筋を使いながらそろそろ倒れてくる場合は。 まだまだ被暗示性の高進が弱いと判断できます。 クライエントに「おまかせ状態」が起きていれば、不安がらずに一気に倒れることができるものです。 つまり、この倒れ込みの暗示は、被暗示性高進の程度をチェックするためのテストとしての意味を持たせてあるのです。 ソファに仰臥姿勢になったクライエントの手首を15センチ程度持ち上げて、放しててみます。 暗示が働いているなら、完全に脱力していますから、パタンと落ちてその形のまま動きません。 「それでは、ここであなたが運動催眠に入っていることを確認するテストをします。 私の暗示を潜在意識がその通りに脳に命じて脳はそのとおり実行しますよ。 これから、私の手の平とあなたの手の平をピッタリくっつけてみます。 1、2、3、はいと私が号令すると、あなたの手の平は、私の手の平を押しつけるようにくっついてきて、離そうとすればするほどますますくっつくという現象が起こります。 では、やってみます。 1、2、3、はい。 ぴったりくっつきました!もう離れません。 離してごらんなさい。 離れない!今度は反発するように離れます。 はい、1、2、3」このときの手の平の合わせ方は、親指どうしを組み合わせ、残りの指をクライエントの手の甲の側に曲げておきます。 暗示どおり押しつけてくる場合には、くっついて離れませんが、そうでない場合には離そうとすることがあります。 離そうとした瞬間にクライエントの手の甲に曲げている4本の指に軽く力を加え離れにくくし、すかさず「離れない」と断言します。 続いて組んだ親指に力を加え、組んだ指を離れないようにして引いたり、押したりします。 二れて、まず離れなくなります。 一種のトリックですが、トリックだと思わせる隙を与えないで、流れるように一連の暗示と処置動作をすることが秘訣です。手の平どうしを接着させるのは、クライエントの離そうとする手の平の表情が                                                                                                                                                                                                                      が敏感に感知できるためです。 クライエントはどんなに眠っているように見えても、彼のモニターしている意識は起伏に富んで微妙に働いています。 離そうとしたり、離すまいか離すかを迷ったりしているのを手の平がよく伝えてくれます。 それを感知して臨機応変に追い込むように暗示を重ね、こちらのペースに引き込むわけです。 そのためには、手の平どうしの接着テストが、最も効率よく運動催眠に誘導できるというわけです。 二のテストがクリアできれば、後はどんな運動催眠にも反応が起きます(異作用被暗示性高進)。 ここから、次の「知覚催眠」へ誘導します。 5知覚催眠レベル心訟几ごy黯が政脳い八け祠戸歹梶け冂フ'卜g'゛一l~一~,・1,ヽふふ心九こ運動催眠のレベルは、顕在意識より潜在意識のほうが優勢化し、暗示に対して潜在意識がそれを実行する事態が生ずることでした。 知覚催眠のレベルとは、SAM前世療法の仮説によれば、ふだんは脳の管理下にある心が脳の管理下を離れた状態になることです。 心は顕在意識・潜在意識を管理していますから、したがって、潜在意識も脳の管理下を離れるごとになります。 脳の管理下を離れた潜在意識が脳に対して任意の諸知覚を命じると、脳は外界の刺激に関係なくそのように感じるよう反応する、あるいは感じないように反応する、これが知覚催眠のレベルです。 催眠状態は一定の時間(10〜15分)そのまま静かにしておいても自然に深化します。 したがって、運動催眠より深化した状態である知覚催眠レベルヘの誘導には、どのような深化誘導法を用いても、およそ5分程度の時間をかけることが必要です。 これは知覚催眠から魂遡行催眠へ深化させるときも同様です。 SAM前世療法では約4分で巻き戻るゼンマイ式オルゴールを用いて次のように暗示します。 「ここからはオルゴールに誘導してもらいます。 オルゴールが1曲終わるごとにあなたの催眠の深さは倍の深さになります。 そして、あなたの心は脳の管理下にあることから離れていきます。 やがてオルゴールがゆっくりになると、それに連れてあなたの意識は急速に深まりを増していきます。 45オルゴールが止まったときにはあなたの心は完全に脳の管理下を離れています。 それではオルゴールに耳を傾けて催眠を深めていきましょう。 オルゴールが止まったら、また声をかけますからねO・・・さあ1曲終わりました。 意識は倍の深さに深まりましたよ」 6知覚催眠レベル到達の確認知覚催眠に入れば、通常の催眠療法の技法をほとんどを実施することが可能になります。 例えばメンタル・リハーサル法、イメージ減感法(脱感作法)、時間歪曲法、自我強化法などです。 こうした技法によって、乗り物酔い、偏食、悪癖、あがり、各種恐怖症などの改善が可能になります。 知覚催眠レベルに到達しているかどうかを確認する方法は、梅干しを含んだなどの幻味や赤い花が見えているなどの幻視などが標準催眠尺度(成瀬悟策『催眠面接法』1968)に採用されています。 要するに知覚が暗示どおり感じられるということですから五感の何でもよいのです。 二こでは、温度知覚と痛覚麻痺が起こるかどうかで確認します。 ただし、一気に痛覚麻痺を確認するのでなく、@温感、A冷感、B痛覚麻痺のように、難易度の低い順に実施していきます。 つまり、一般に温感の知覚がもっとも出やすく、痛覚麻痺が最も起きにくいということです。 「さあ、あなたは知覚催眠レベルに到達できました。 あなたの心は脳の管理下を離れています。 だから、心が管理している潜在意識が命ずるように脳は知覚を感じるようになっています。 これから私の暗示するような知覚がきっと感じられるはずですから、それが分かったら人差し指を立てて教えてください。 左手(右手)をテストに使います。 これから三つ数えながらあなたの手の甲に触れていきます。 三つ数えたときには手全体が温かくなります。 (手の甲から指先に向かって手の平で軽く触れ移動させながら)はい、1、血管が開いて血の流れがよくなり手首から温かい感じが指先に向かって広がってきました。 2、どんどん広がってもう少しで指先まで温かくなります。 3、これで手はすっかり温かくなりました。 (指の応答を確かめて)はい、とっても良好な反応です。 次は冷やしていきます。 きっとそうなります。 始めますよ。 はい、(指先から手の甲へ移動させながら)1、血管が閉じてきました。 指先からひんやりした感じが手首に向かって広がっています。 2、ひんやりした感じがもうすぐ手首まで到達します。 3、すっかり手全体がひんやりとしています。 (指の応答を確かめて)すばらしい催眠感受性ですね。 これならきっと次の痛覚麻痺もできますよ。 これから、五つ数えます。 そうすると、冷えて46いる手はますます冷え切って冷たいのを通り越します。 冷たいのを通り越すとだんだん知覚が鈍くなり、ついには知覚を感じない手に変わってしまいます。 あなたならきっとできます。 では、やってみますよ。 はい、(手の甲を指先で触れながら)1、冷たい感じが手の芯まで染み込んできました。 (手の甲を手の平で触れ移動させながら)2、冷たい感じがますます強くなって、冷たいのを通り越しました。 指先の感じが鈍くなり、どんどん広がってきました。 3、鈍い感じが手全体に広がり、分厚い手袋でもはめている感じに変わりました。 4、もう自分の手ではない感じになってしまいました。 何か人ごとのようにかすかに触れられていることが分かるだけです。 5、もうすっかり知覚がなくなりました。 熱いのも、冷たいのも、痛いのも、もう分かりません。 ちょうど麻酔がかかったと同じです。 ちょっとテストしますよ。 ひどいことはしませんから安心してくださいね。 痛みがあれば、指で応答してください(手の甲を初めは軽く、次にギュッとつねる。 応答がないのを確かめる)。 今、あなたの手は麻酔がかかった状態になっています。 これは、あなたの潜在意識が脳にそうなるように命じた結果、脳がそのように痛覚を眠らせ麻痺させたということです。 つまり、あなたの心の力で麻酔をかけたということですよ。 あなたにはそういうすばらしい潜在能力がある証明です。 だから、あなたは自分の潜在能力に自信を持っていいのです。 きっとまだまだ、あなたの知らない潜在能力が潜んでいます。 今のように集中力さえ発揮すればそれがきっと出てきます。 自分に自信を持ちましょう。 それでは、元のように感じる手に戻ります。 (甲を手の平で触れ移動させながら)1、2、3、さあ、すっかり元の手に戻りました。 これで、あなたは知覚催眠レベルをクリアしました。 今まで知覚催眠をクリアした人は例外なく、魂状態まで行き着くことができています。 あなたも、きっと魂状態に行けるはずですよ」知覚催眠到達度の確認において、温感・冷感・痛覚麻痺のどれもが不成功の場合、「魂遡行催眠」はまず不可能だと思ってください。 痛覚麻庫だけができない場合には、魂遡行ができる場合とできない場合があります。 一般的に催眠学では、100人中5人は全然催眠に入ることはできない。 約30人が運動催眠に、約50人は知覚催眠に、約15人はそれ以上の深い催眠に入るとされています。 したがって、統計にしたがえば、約半数のクライエントに魂遡行催眠が可能というごとになります。 ただし、この数字は誘導技法をすべて同列こして実施したデータではありません。 これまでの技法で実施してきた私の「魂遡行催眠」の成功率は約90%です。 私の誘導体験から言える催眠に入らない、あるいは入っても深化できないクライエントの共通項は、頑なに論理的思考から離れられない唯物論的左脳人間と呼ばれていることです。 催眠とは、論理的思考を放棄して論理では説明不可能な潜在意識の世界に入ることですから、起こってくることを起こるままに受け入れられない人には、潜在意識が働きを止めてしまうからだと思われます。 つまり、モニターしている顕在意識が、起こってくる催眠現象の何もかもに理屈をつけて説明しようと強く働き、常識的に論理的に説明不可能な現象に拒否感を抱くと潜在意識は活動を止めてしまうというわけです。 H魂遡行催眠の誘導技法いよいよ、二こからが、私か創始したSAM前世療法独自の方法論による誘導になります。 私あての霊信に触発され、検証実験を繰り返す過程で生まれた技法ですから、同様の霊信を受信していない限り、世界中で誰もおこなうことができないと断言できます。 SAM前世療法の方法論は人間が思いつくことのできない霊からの情報によっているからです。 この誘導技法の仮説は次の三つです。 1魂遡行催眠の仮説@物質である脳(肉体)の死滅後も死後存続する非物質である意識体(魂)が存在する。 魂は肉体に宿り、生まれ変わりを繰り返す。 Aしたがって、物質である脳は非物質である心を生み出してはいない。 脳と心は別である。 B潜在意識は魂の表層(イ則面)を構成している前世のものたちが生み出している。 以上の作業仮説に立つと、次のような魂へと至るための方法論が生まれてきます。 もし、潜在意識が、魂の表層を構成している前世のものたちが生み出しているとするならば、潜在意識をどんどん深め、手繰っていけば、魂とその表層を構成している前世のものたちにたどり着ける。 潜在意識はその源である魂の状態を知っている。 なぜなら、魂の表層の前世のものたちが生み出しているからである。 そうであるなら、潜在意識に魂状態まで導かせることができる。 以上の方法論から、これから記述する暗示と誘導技法を用いて「魂遡行催眠」へと誘導していきます。 482魂状態に接近するための技法「では、これから魂状態へとあなたを導いていきます。 ここで例えを用いて今のあなたの催眠の深さを説明します。 底の見えない深い湖に金貨を投げ込んだとします。 金貨はピラピラ舞いながら湖の底へと沈んでいきます。 でも、まだ底までの距離の半分を過ぎたところです。 底はまだまだ見えてきません。 この湖の底こそ、魂状態です。 つまりあなたの催眠の深さも魂状態までの半分の深さまできたところです。 それほど魂状態は深いところにあるのです。 それで、これからその距離を一気に縮めていきましょう。 金貨の例えに戻るなら、金貨は底までの距離を一気に縮めるために沈んでいく速度を速めます。 あなたの意識も一気に深まり、魂までの距離を縮めます。 そのためにこんな作業をします。 これから、私が三つ数えます。 そうするとあなたはFIを開きます。 目の前にまぶしい光が見えますからその光をみてください。 そうするとまた日が閉じてしまいます。 目を閉じた瞬間に、あなたは一気に魂に近づくことができます。 金貨に例えるなら、金貨は一気に速度を速めて底へと沈んでいきます。 これを2回繰り返すと、魂まであと一歩というところまで行くことができます。 金貨はあと少しで湖の底に届くところまで、一気に沈んでいきます」ここで用いる誘導深化の技法は「反復漸進法」です。 小道具として、ペン型ライトか懐中電灯を用意します。 目を開いたときに見えるものは、これらの物でなくてもいいのですが、カーテンを閉じて薄暗い室内でも注視しやすいような目立つものがいいのです。 ですから、指先でも水晶球でもいいし、糸につるした五円玉を振り子のように揺らしても代用はできます。 湖底へ沈んでいく金貨のたとえ話をするのは、知覚催眠まで至るとイメージが出やすいという性質を利用したいためです。 湖底に沈んでいく金貨のイメージと、意識の深まりを重ね合わせることによって、魂状態へと遡行する感覚が容易に働くからで名医レノよ町レす∠ノ2ぺ嗣Cがバにし八「さあ、これであなたの意識は魂状態までずいぶん近づきました。 でも、まだまだ距離があります。 また、私が三つ数えたら目が開きます。 またまぶしい光が目に入りますからその光をじっと見てください。 そうすると、また目が閉じてしまいます。 今度目を閉じた瞬間、あなたは魂まであと一歩のところまで一気に近づきます。 金貨に例えると、金貨は底まであと一歩のところまで一気にスピードを速めて沈んでいきます。 それでは三つ数えます。 1、2、3、さあ目が開きますよ」ここまでの誘導によって、クライエントの状態は深い睡眠時のように完全な脱力状態になっています。 表情が消え、能面様の無表情になっています。 自分で身体を勣かすことは全くなく、仮死状態に見えることも少なくありません。 ただし、暗示に反応するかぎり睡眠に移行していることはありません。 3魂状態に至るための技法「今、あなたは魂状態まであと一歩のところまできました。 ここからは、もう私の力の及ぶところではありません。 あなたの潜在意識に魂状態まで導いてもらいます。 なぜなら、潜在意識は、魂表層の前世の者が生み出しているので、潜在意識はそれを生み出している魂という状態が一番よく分かっているからです。 だから、潜在意識は、必ずあなたを魂の状態に導いてくれるはずです。 それでは、いいですか、この人差し指が潜在意識そのものを担いましたよ。 人差し指が、つまり潜在意識が、このように上下運動を始めます。 そして一往復する度に、あなたを魂状態へと導いてくれます。 やがて魂状態に至ると、指は動きを止めてそれを知らせてくれます。 それまで指にすべてを委ねて魂状態に戻りましょう。 魂状態に至るまでの時間はみんな違います。 だから決してあせってはいけません。 ひたすら指に任せることです。 それで以、私の支えがなくXつても指は動き続けてあなたを導きますよ」で脂ゾげダブ蝗爾い竍いやが)殍ロイ填勧哲弌潜在意識をクライエントの人差し指に委ねるときの技法はでその指をそっと包むように撫でて、指に向かって「この人差し指が潜在意識そのものですよ。 あなたが、つまり潜在意識がこのように上下運動を始めます」と話しかけるようにします。 こうすることによって、潜在意識が指に宿り、モニターしている顕在意識からすると、指が顕在意識の意志ではないのに自動的に上下運動を始めるという現象が起こります。 このときの指の動きは非常に重たい感じがするという報告が結構ありますから、指の高さは身体よりやや低い位置になるように調整します。 また、指のL下運動ではなく旋回運動をさせても構いません。 クライエントの中には五本の指全部がそろって上下運動を始める場合かおりますが、それも構いません。 あるいは手首を旋回させることもできます。 人差し指とその上下運動を用いる理由は、多くのクライエントが、それが一番楽だと答えているからです。 この潜在意識を指に担わせ、潜在意識自身によって魂状態の自覚へと導かせる技法こそ、SAM前世療法の独創的技法であり、これは世界中の前世療法家の誰もがやっていない私の創始した技法です。 さて、指の上下運動は平均して3〜4分間程度で休止が起こります。 上下運動の速度が緩やかになったり、振幅がわずかになってきて、やがて全く動きが止まります。 葛叺バいDりrうoj絳ぐ汗即`官めエ乃冫八贍ふ乞バブ1「潜在意識である指にお聞きします。 あなたは今動きを止めましたが、魂状態へ導き終えたのなら休んでよろしい。 でも、まだであるなら頑張って導いてください」このように指に問いかけます。すると、再度上下運動が再開されることが結構あります。 こうして指の運動が完全に止まったことを確認できたら次のように問いかけます。 「魂の状態に到達できたようですね。 あなたに聞きます。 あなたは魂の状態に到達できていますか?到達できているなら指を立てて答えてください」魂状態への到達を知らせる指が立つことを確認したら次のように問いかけます。 冷方ぐ匸乱バー凾μこ鬲し1=y:・こ月`心とうに......一一:゛`lj^J11?7ヽ4前世のものの人生を問う技法シヤ匸い⊇∠言怦ぐンザ(.........1・'-'7、、、いごこら゛" ̄〜、j匸匸煙`丁カ幺から纒卜瀕冫、jノスヤさ天二ここ「あなたは魂の表層においでになる前世の者ですか?指を立てそ教え七ください。 前世の者ですか?」二二で多くの場合は「現世のもの」だと回答します。 この潜在意識を作り出している[現世のもの]も、魂の表層に存在していると考えられます。 したがって、同じく魂の表層にいる他の前世のものたちとリンクしており、連絡がとれると思われます。 さて、「現世のもの」だと指が答えたときには次のように指示します。 ○○の前世のものと交代してください。 三つ数えると交代し「それでは、ますよ。 1、2、3.・‥あなたは○○の前世のものですか?」このFOOの前世のものjのOOは主訴に応じて二とばを入れます。 例えば、「癒しを必、要とする前世のものjF現世の夫とともに生きた前世のものj[宇宙人である前世のもの]「霊能力を発揮していた前世のもの」「現世のものに一番関わりの深い前世のもの」というように必要に応じて自在に呼び出しができます。 この自在に呼び出し可能という点がワイス式にはできないSAM独自の醍醐味です。 その理由はSAMが「魂の二層構造仮説」に立っているからです。 魂の表層を前世のものたちが構成し、それらは互いに友愛を結びリンクしているのですから、呼び出しに応じて前世の人格が現れ、自分の人生を語る二とが可能であるわけです。 一方、そうした仮説を持たないワイス式では、前世の記憶がど二に存在するかを特定していません。 したがって、呼び出しができませんから前世のどんな人格が現れるか予測が立ちません。 結局、出たとこ勝負になってしまうというわけです。 せいぜい「あなたの最も幸せだった前世(記憶)に戻ります」と暗示をすることしかできません。 なぜなら、「前世の記憶」を呼び覚J`'ますという発想であり、「前世の人格」を呼び出すという発想ではないからです。 SAM前世療法では、呼び出しの指示をしていないのに最初から前世の者が現れることが、かなり多くあります。 多くの場合、そのものは癒しを求めて自ら出てきているのです。 また、多くはありませんが、現世の者か、前世の者かを尋ねても指が反応しない場合かおります。 こうした場合、残る可能性は「憑依した未浄化霊の出現」「守護霊の降霊」「守護霊以外の高級霊の降霊」「神の降臨」のどれかです。 順に聞いて指の反応を見ます。 あるいは、この六つのどれにも指が反応しない場合があります。 こうしたときには、指を立てる代わりに「頷きと横振りで答えてください」と指示を切り替えると反応が出ることがあります。 それでも反応が出ないときには、正体を隠している未浄化霊が妨害していることがほとんどです。 これは浄霊するしかおりません。 なお、守護霊が降霊したときには魂の表層の前世のものの呼び出しを許可できないというメッセージを告げることがあります。 その場合にはそれに従うほかありません。 前世のものを呼び出す二とは断念します。 おそらくは、非常に残酷な前世で、それを知ることにクライエントの自我が耐えられないから禁じられているのでしょう。 あるいは何か重大な霊的問題が絡んでいるからだと思われます。 さて、首尾よく必要な前世のものが現れたら、いよいよそのものの人生を探っていきす。 「では、○○の前世であるあなたの人生についてこれからお尋ねします。 ここからは指ではなく口頭でお答え願えますか。 できるかどうか指で答えてください。 できますか?できませんか?」この回答は、これまでのデータではおよそ5人に1人くらいが口頭で答えられます。 4人は指で答えることしかできないと回答します。 ここからは、質問に対して口頭で答えられる場合には口頭で答えてもらいます。 指で答える場合には質問について指で回答してもらいます。 口頭で答える場合に明瞭な発音で答えることは稀です。 たいていは小声でぼそぼそと答えます。 また、指で答えると応答しておきながら、途中から口頭で答える場合もあります。 現れた「前世のもの」は前世の人格と感情を備えていますから、クライエントとは別人格として尊敬をはらって扱うようにします。 尋ねていく順序は次のようにします。 性別国時代所属した階級職業配偶者と子供の有無癒しを必要とするような事件・死に方指による回答によってFにたどり着くためには、日本史・世界史の知識に加えて、日本52と世界の地理の知識が不可欠です。 そして、[癒しを必要とする事件・死に方]を突き止めるためには、前記の知識を背景とした「勘」が要求されます。 そうでないと、いつまでたっても質問が的を射ず、前世の人格に不快感や嫌悪感を抱かせてしまうことになってしまいます。 そうなれば、セッションは失敗に帰してしまいます。 したがって、SAM前世療法士の素養として、日本史・世界史、日本と世界の地理について、さらには代表的な星座や星についての天文学の知識が必要ですから、これをふだんから身につけるための学習が不可欠になってきます。 一方、「勘」についてはセッションの累積による経験を積んで磨くしかおりません。 例えば性別を尋ねたとき、男でも女でも指が反応しない場合に「勘」が働くことが求められます。 すかさず「あなたは半陰陽(中性)として生まれたのですか?」「あなたには性がないのすか?つまり、地球人以外の性別のない宇宙人ですか?」などの質問ができなければなりません。 前世が宇宙人であったものが出てくることが稀ではないからです。例えば、ポラリス(北極星)・プレアデス・アンドロメダ・シリウス・北斗七星の一一つ、土星の月、ゼータ星などと回答したことあります。 前世の者の癒しを必要とするような事件・死に方にたどりついたときには、悲しみの感情や苦しみの感情が噴出します。 声を上げて泣いたり、沈黙のままで涙があふれてくるなど、様々な反応が現れます。 そうしたときには、感情が鎮まるまで十分に泣かせてよいのです。 カタルシス(浄化作用)だからです。 やがて動揺が落ち着いてきたら、説得に移ります。 前世のものは、自分の生きた当時のままの時代認識、状況認識でいるので、自分の生まれ変わりであり、分身といえる現世のものが自分と同じ危うい状況に陥ることを防ごうとしているからです。 そのため現世のものに、不安の感情を流したり、災いを招いた能力を発揮することにブロック(封印)をかけたりしているのです。 説得後、前世のものに癒しがおこなわれたかを尋ねてみます。 まだ癒しが足りないと答えたときにはF魂へのヒーリング」をおこないます。 「あなたは、これからは魂の表層の一人として他の前世の者たちと友愛を結び、魂全体の進化と成長のために貢献してください。 そして、現世の者の進化と成長を支えてください。 それでは、これから三つ数えたら現世の者と交代してください。 1,2,3」5守護霊との出会いの技法「あなたは現世の者ですね?あなたは今魂状態にあります。 そういうあなたのもとには守護霊が降りてきやすくなっています。 これからオルゴールが聞こえだしたら、あなたは守護霊に、どうぞ降りてきてください、と祈りなさい。 その存在が現れたら日頃尋ねてみたいと思っていることを尋ねてください。 すべてテレパシーで通じます。 その存在が去られるときには丁重なお礼を言ってください。 家族の絆より強く、どんなことがあろうとあなたを守護してくださる存在ですからね。 オルゴールが止まったときを目途に私が声をかけます。 それでは祈りを始めてください」このように暗示した後、約5分間沈黙を守ります。 クライエントの表情を観察していると、その表情の変化から守護霊が降りてきているかどうかがおよそ判断できます。 守讒霊が降霊する確率は約60%程度です。 メッセージがあるのはさらにその半分程度です。 守護霊は、白衣の人間的様相であったり光であったりします。 姿が見えない場合でも雰囲気で存在を感知できることもあります。 メッセージは耳に聞こえる感覚ではなく胸に直接人ってくる感覚だと報告されることがほとんどです。 5分か経過したところで、「守護霊と出会えましたか?まだ、その方は立ち去ってはいませんか?」と尋ねてみます。 まだ降霊中だという回答があればさらに待ちます。 守護霊の降霊かおり、去って行つたという場合も]降霊がなかった場合も、二二でセッションを終結し解催眠に入ります。 6解催眠の技法「ではこれでセッションを終わって催眠から覚めましょう。 今あなたは肉体と分離した魂状態にありますから、これからゆっくり五つ数えて催眠から覚めるときに、しっかり自分の肉体に融合します。 では数を数えます。 ・・・1、意識がどんどん浅く浅くなっていきます。 ・・・2、肉体に融合しました。 意識はますます浅くなっています。 ・・・3、魂は肉体の元の正しい位置に納まりました。 意識はさらに浅く浅くなっています。 ・ ・ ・4、さあもう少しで催眠からすっかり覚めます。 覚めたときにはとてもすっきりして、肉体の疲労はすっかり取れています。 一皮剥けた自分がはっきりわかります。 ・・・5、完全に催眠から覚めました。 光を入れますから、目を開いていいですよ。 両手で拳を握り肘の屈伸をしてください。 意識がはっきりしてきたら、起き上がって動いていいですよ」魂状態は体外離脱状態を想定していますから、自分の肉体にきちんと納まるという暗示を忘れないようにします。 解催眠後も数分間はぼんやりした状態が続く場合があります「大丈夫です。 すぐにはっきりしてきますよ」と断言します。 深いレベルの催眠から覚めた直後は、まだ高い被暗示性が残っていますがらこうした自信に満ちたことばが効果を発揮するのです。 稀に頭痛を訴える場合かおりますが、その場合には慌てずクライエントを仰臥させ、額54に手を当てて、「これから私が五つ数えるとまた浅い催眠に入ります。 そして、またゆっくり五つ数えるとすっかり催眠から覚め、頭はすっきりし頭痛は治まっています」と暗示して再度浅い催眠に入れ、すぐに覚醒させます。 これでたいていの頭痛は治まります。 こうした頭痛は、そのクライエントにとっては、深い催眠状態から覚醒状態に戻る時間が早すぎた場合だと考えられます。 比喩として、潜水病だとたとえていいでしょう。 したがって、ゆっくり時間をかけて覚醒すれば防げます。 あるいは、辛い現実の生活から逃避できる催眠状態にとどまりたいという願望かおるにもかかわらず覚醒させられたことへの抵抗から頭痛が生じることがあります。 こうした場合には覚醒暗示に反応せず、覚醒しないことが起こります。 こうした状態をフーグ(解離性遁走)と呼びます/慌てないで、数分おきに繰り返し覚醒暗示をし「催眠状態が心地よいので催眠から覚めたくないのですね。 でも、また催眠に入れてあげますから今目のところは覚めましょうねjというように説得し、覚醒暗示をすれば、たいていの場合覚醒します。 それでも覚醒しないときは、1時間〜2時間程度放置しておけば覚醒します。 この後、催眠中の記憶を尋ねたり、守護霊との対話を尋ねたりした後、セッションを終結します。 V未浄化霊への浄霊療法1魂遡行を妨げる未浄化霊ものへの浄霊セッショッ過程で必要に応じて浄霊をおこなうことも、SAM前世療法の際立つ特徴だと言えます知覚催眠段階をクリアし、魂遡行段階に入って5分以上の経過があっても、到達したという自覚が出ないとき、あるいはすぐに指の運動が停止するときには、クライエントの指に「魂に戻ることを妨げる者を感じよすか」と尋ね、「はい」という返事が返ったときに「憑依している未浄化霊がいるなら指を立てて答えなさい」と指示します。 こうして指が立てば、末浄化霊の憑依が確認できます。 未浄化霊は霊体に憑依することが分かっており、その霊体に宿る潜在意識を指に担わせますから、未浄化霊の意識も指に宿っていると見倣すことができるというわけです。 霊信では次のように告げています。 「前世退行は必要に応じておこなわれるものであると判断しなさい。 そして、戻れないもの、要するに深い変性意識へと誘導されない者に対しての要因は、二種あるのだと理解しなさい。 それらに共通するのは、霊的存在により起こるということである。 それらは、守護的存在とそれを妨げるものとに分けられる。 守護的存在が下寸判断、そしてその対象者の傷を癒す流れを止めるものによる意図が要因である。 あなたの催眠技量は必要基準を満たしている。 あなたが前世療法をおこなえない者は、必然であるのだと理解しなさい」こうして、魂遡行催眠に要する平均的時間(約5分)の経過があっても、魂状態に至らないときには、未浄化霊の憑依を確認し、浄霊にとりかかります。 この浄霊の道具は、不動明王の真言、般若心経です。 そして、この浄霊の仕方も、前述[魂へのヒーリング]を伝授してくれたクライエントの二度[]のセッション中に、またしても「今日は神様のお使いで、あなたに浄霊の仕方を教えにきました」と語り始めた統合失調症女性クライエントを介して、「神様によって」伝授されたものです。 このセッションも、前回同様の見学者の証人がいる前でおこなわれたものです。 不思議なことですが事実です。 浄霊は、不動明王の真言によってクライエントの霊体から末浄化霊を引き離す除霊と、引き離された未浄化霊を光の世界、霊界へと送り出し、霊界で待っている魂の本体へと統合させる浄霊の二段階を経ますが、除霊に際してはクライェントが痙攣を起こしたり、苦悶に身を捩ることがあります。 稀には暴れることも起こります。 そして、浄霊が終わると再度魂への遡行を試みます。 たいていは、浄霊後には遡行に成功します。 それでも遡行しないときは、再度別の未浄化霊が潜んでいないかを確認します。 同一クライエントでこれまで最も多く浄霊した回数は9回でした。 浄霊後魂遡行に功しないときには、守護的存在の許しが下りないのだと判断し遡行を断念するごとになります。 浄霊を施したクライエントの反応は様々ですが、何らかの霊的存在が抜けていった自覚を持つ場合、肩や頭部の明確な軽快感を報告する場合、体調不良の改善を報告する場合が多いようです。 また、まったく自覚を感じない場合も少なくおりません。 2先祖の未浄化霊の浄霊心理的不都合、肉体的不都合などの主訴にかかわる前世人格を呼び出そうとしても、存在しない場合かおります。 そういう場合には、先祖の未浄化霊が救いを求めて、子孫であるクライエントにそうした不都合な心理的症状や肉体的症状を引き起こし、自分の存在に気づいてほしい、浄化してほしい、という訴えをしていることがあります。 たとえば、医学的所見のない足の甲の痛み、偏頭痛、閉所恐怖症、統合失調症などの症状が、先祖の未浄化霊の訴えであった事例かおります。 具体的には次のような説得をします。 「あなたの苦しみ悲しみはよく分かりました。 これからあなたを待っている魂本体と一つになれるように旅立ってください。 そのために、あなたの行くべき霊界の消息を説いた般若心経を唱えます。 そうするとお迎えの方がきっとおいでになりますから、その方に導かれて旅立ってください。 (般若心経H唱える)これで旅立ちの準備が整いました。 私がパンパンと手を叩いたら旅立ちますよ」Wインナーチャイルド療法これまでのSAM前世療法の実践から、インナーチャイルドと呼ばれ、幼少期・少年期のトラウマの記憶とされているものが、実は、成長していく人格から切り離され、分離した一個の霊的人格であることを確認してきました。 ここで言う「霊的」とは、F一個の人格の属性を帯びた肉体のない意識体」という意味です。 この二とは、解離性同一性人格障害(多重人格)における独立した「副人格」と同様の解釈が可能だろうと推測することです。 意識は、直視できないような悲哀や恐怖体験をすると、そうした強烈な意識が凝縮し、集合体となって、本体の人格から分離した一個の人格として独立して存在するようになり、人格としてふるまうようになると観察できるのです。 解離性同一性人格障害(多重人格)において顕現化する複数の副人格は、精神医学ではそのように解釈されています。 また、未浄化霊は、魂の本体から取り残されたE残留思念の集合体」である、と私あて霊信は告げています。 さらに、生き霊と呼ばれる霊的存在は、強烈な嫉妬や憎悪の思念の集合体が一個の人格として本体の意識から分離して霊的ふるまいをするものと考えられます。 私あて第8霊信は次のように告げています。 Fあなたが今世を通しより強い興味や探究心を引きつけられるものを、あなたはそ二で理解していた。 あなたはそれを科学的な見解から理解していた。 すべては『意識』であると理解していた。 言葉としての『意識』をあなたは理解している。 だが、その本質はまだ理解には及んでいない。 あなたがより覚醒するにしたがって、それは思い出されるものとなる」と。 「意識」の本質の理解とは何か、その一端が、これまで述べてきたことではないかと思われます。 インナーチャイルドは、成長していく人格から切り離され、分離した一個の人格です。 その居場所は、魂表層の「現世の者」の内部だと思われます。 したがって、魂状態の遡行に導き、現世の者を呼び出し、次のように呼びかけます。 「これから私が五つ数えると、現世の者のなかにいて苦しんでいるインナーチャイルドと呼ばれている存在があらわれます」こうして顕現化したイッナーチャイルド人格の苦しみを語らせます。 語りの最中に身もだえして泣き出すことが多いものです。 泣くことはカタルシス(浄化作用)ですから泣き止むまで待てばよいのです。 落ち着いたところで、悲しみの原因を聞いてやり、次のように説得します。 「あなたの苦しみ悲しみはよく分かりました。 あなたは苦しみ悲しみがあまりにも強く深かったので、成長していく人格から切り離され取り残されてしまったのですね。 でも、成長した大人の人格は、あなたが自分と一つに溶け合ってくれることを願っています。 大人の人格と一つになってくれますね。 私が手をパンパンと2回叩くと、大人の人格と一つになれますよ。 そうすれば、もう、あなたは、これまでのように取り残されて、ひとりぼっちで苦しむことはありません」浄霊療法における未浄化霊、インナーヂャイルド療法におけるインナーチャイルドは、ともに「強烈な思念が凝縮し、集合した意識が、その本体と分離し、一個の人格の属性を備えるに至った意識体]であると定義しています。 そして、これらの未浄化霊・インナーチャイルドが求めていることは、共感的理解だと思われます。 したがって、それらの訴えに対して共感と理解を示し、末浄化霊であればその本体である魂、インナーチャイルドであれば大人に成長している人格に統合しー一つになるように説得することが基本です。 参考文献稲垣勝巳『前世療法の探究』春秋社、2006稲垣勝巳『生まれ変わりが科学的に証明された』ナチュラルスピリット社、2010J.Lホイットン/片桐すみ子訳『輪廻転生』人文書院、1989奥山輝実『前世療法へようこそJPHP,2005成瀬悟策『催眠面接法』誠信書房、1968斉藤稔正『催眠法の実際』創元社、1987林茂男『催眠入門』誠信書房、1964イアン・スティーヴンソン/笠原敏雄訳『前世を記憶する子どもたら』日本教文社1989イアン・スティーヴンソン/笠原敏雄訳『前世の言葉を話す人々』日本教文社1995