運転手は誰?

催眠療法

催眠関係の本を読むと、セラピストとクライエントさまの関係について、さまざまな例えで表現されています。

たとえばこんな風に登山に例えていたりします。

山を登るのはクライエントさまご自身であり、セラピストは道案内

絶妙にうまい表現だと思います。
催眠では、セラピストは誘導するだけで、頂上まで登れるかどうかはクライエントさまご自身にかかっています。

また、深い催眠状態に入っていても、クライエントさまによって無意識の領域から答えが出てくる場合と、普段考えていることがストレートに出てくる場合があります。

セラピストはナビゲーターです。
案内はしますが、それ以上の介入はできません。


ドライブに例えるのであれば

運転席に座っているのはクライエントさま、セラピストはカーナビ

こんな感じだと思います。

セラピストは深い催眠状態までクライエントさまをご案内しますが、運転しているのはクライエントさまご自身です。

道をそれるのも、戻るのも、すべてクライエントさまのハンドルさばき一つにかかっています。

セラピストは道案内をしますが、車を意のままに操ることはできません。
車を操るのはクライエントさまなのです。


さて、前回のポストでエリクソンの「無意識を信頼する」話を書きました。

深い催眠状態で運転しているのはクライエントさまご自身と書きましたが、もう少し詳しく書くと「深い催眠状態で運転しているのはクライエントさまの無意識」です。

無意識はその時その人に必要な情報を選んで教えてくれます。

その時、普段考えているようなことが必要であればそういう情報を、普段思いつきもしないようなことが必要であれば、そういう情報を教えてくれているのです。

過去にポストした記事「催眠中なのに顕在意識で答えているのかな?」も同じです。

催眠中なのに、普段考えていることしか出てこない場合は、今その方に必要なのはまさに、普段から考えていること
または
もう少しつっこんだ内容は、まだ知る時期ではないのだと考えています。